代表取締役社長 株本 幸二(左)と代表取締役副社長 田中 優成(右)
2011年の法人SMSを日本で最初に手掛けてから、はや14年。 SMSは、一説には2022年度は年間40億通、 市場は200億円超規模に成長し、 特にコロナ禍における自宅療養のコロナ感染者との連絡・問診用途で活用された特需もあり、 また、 認証利用や受信の気付き易さは、数あるメッセージ手段の中で際立っています。今後は、 金融分野をはじめ、 多様な分野で「連絡通知系」で引き続き配信需要は見込める一方で、参入障壁も低く、業界全体が厳しい価格競争に直面しています。 SMSメッセージング事業においては、配信通数は今後も拡大していくものの SMS通信事業者にとっては単価の下落は止まらず、収益性の低い事業へ転落していくことが予想されております。
2019年に800社余だった取引企業数も5000社を超え、グループ全体では10000社を超える規模になっています。 配信通数もトップシェアを争ってはいますが、 収益率の低下は業界全体の問題であり、 今後SMSを含めたテレコミュニケーションサービス事業だけでは非常に厳しいと言わざるを得ない状況と判断しております。 SMS創成期では市場をリードしてきた当社ですが、今後は従来の事業に加え、 新たな収益基盤の確保をして企業としての将来を担保すべく、 新たな事業の展開を含めて、 企業価値向上を図っていかなくてはならないと判断しております。
2022年策定の中期経営計画はSMS事業会社である当社を前提に策定されており、曲がり角を迎えたSMS事業市場、 混沌とした社会情勢や経済環境等を考えた時に、 この中期経営計画の見直しは必須と判断し、 次代に対応する新たなアクリートを目指す計画の立案、策定に取り組みました。
生成AIやAGI等の産業技術の急速な進化と普及により、 私達の社会は大きな岐路を迎えています。 今後、 あらゆる分野でAIやAGI (さらにはその先のASI)が当たり前の社会となっても、人とのリアルなコミュニケーションは残ります。また、ディープフェイクなど 「生成AIの悪用防止」 として、 偽情報対策 「オリジネータ・プロ「ファイル」の開発も進むなど、人が情報に接する際には、必ず何らかのリアルな認証プロセスは必要であります。 そしてまた、 企業は、 最適化・効率化の視点で、コミュニケーションコストのROIを、AIやAGIを使って下げようとしていくでしょう。
AIの普及による産業進化においてアクリートは自身の位置付けを見直し、これまでの事業経験や情報収集に基づき、SMSのみから脱却して、 新たな企業価値創造へのゲームチェンジに踏み出して参ります。
「テレコミュニケーションサービス」 プラスアルファによる新たな企業価値の創造を目指しますが、アクリートが常にビジョンとして追及するのは 「人と人との確かな絆」です。デジタル社会においても、デジタル社会であるからこそ、 「安心」「安全」 「信頼」 「快適」 につながる 「リアルな絆」を創り出すサービスを追求していく姿勢は忘れません。時代・次代のキーとなるAIをどうリアルで積極的に活用するか、という意味での「AI forリアル」を新たなテーマに加え、 企業として「社会課題の解決による成長」に挑み続けて参ります。